拳法の修行のためにいろいろ調べている内に、結局,居合道も始めてしまった.
無双直伝英信流居合兵法 耕山会.源氏発祥の地として由緒正しい多田神社の一隅にある道場で週一回の修行である.神域での刀法の修行故,雰囲気は最高である.武道とは斯くあるべし(残念ながら2018年現在,練習場所は神社ではなくなってしまった).
私は最近の武道のスポーツ化を好まない.ポイント制がどうこう、ルールがどうこうとか,技法についてもバックスェーとかレバーを打つ..などなど,どうも横文字でテクニックとして語ることに抵抗がある.
拳禅一如.剣禅一如.武道とは心を磨く修行である.
居合を始めての感想だが,実際に真剣で斬り合うことが出来ない故に型武道であることに徹する居合は,型に徹しているだけに身体操作への意識が極めて高いと感じた.
特に耕山会の田尻先生は古式の身体操作を強く意識しておられ,呼吸法と脱力を重視しておられる.
拳法の演武でも,私は動きが堅いことが課題であった.それで,居合道場での脱力の練習は拳法にとっても良い練習になっていると思う.今,私の拳法の課題は,「脱力と速さ」である.如何に初動が見えない突き蹴りを繰り出すか.如何にして相手を力ませずに崩すか.如何に自分が崩れずに流れるように体を捌くか.
体捌きそのものは,英信流はどちらかというと空手系に近い.入身の捌きが多い拳法とは違う部分も多いのだが,脱力と呼吸については共通項が非常に多い.勿論それらは拳法の道場でもずっと言われてきたことであるが,違う形で修行することで効率よく修得できると言うこともあるようだ.
気勢の修練という意味でも大いに効果がある.乱捕にも応用できそうだ.
末松師範代に教えを請う.剣禅一如.