蛇突からの蹴攻撃,蛇突にかかわらず上段突からの蹴の連攻というこのパターンは実は私が修行している某拳法の攻撃のひとつの王道パターンでもある.開祖先生の著書にも<天地連攻>と出てくるこのパターン,私は結構好きで乱捕でよく使う.特に蛇突の天地連攻.初撃の蛇突は目の前に直線的に伸びる軌道で,相手はどうしても気を取られてしまうので牽制に非常に良い.目をめがけてまっすぐ飛んでくるものは,間合いから届かない大丈夫,と思ってみてもなかなか無視できないものなのだ.勿論,乱捕でそのまま蛇突は危ないので手首を曲げて目打ちっぽく使うが,目打ちとは軌道が違う.この蛇突を出しつつ気づかれぬように一気に間合いを詰めるタイミングにコツがいる.相手が自分より大きくて体格が良いときなどに便利に使える技である.あるいは,相手が前進して攻撃してくるのを牽制で止め,その瞬間蹴りを出す.突進系の相手にも有効でもある.
私の場合は大抵順の変形蛇突から逆蹴りで行くので,自分では蛇突天地連攻と呼んでいる.私の乱捕の得意技の一つである.れっきとした拳法の形からとった攻撃であり,形が乱捕でも使えることの一つの証拠なのである.

い.何しろ自分の最大距離の蹴りの間合いになる前に,相
手の蹴りが届くのだ.そこでこのように牽制してそのすき
に歩を進める.左の写真の瞬間が丁度相手の蹴り間合いで
,この位置では私の蹴りは届かない.蛇突をするように大
きく鎌首を振り上げておいてその隙に間合いを縮め,間髪
入れずに蹴上げ.写真は,軽く空乱なので蹴り寸止めのつ
もりが,カークさんのセンスが良くて反応して前に出てき
たので若干当て止めになってしまった.

空乱で使った例.この場合は,相手が有段者でどんどん前
に出て攻撃が来るので,牽制の蛇突(危ないので指は曲げ
ている)からの天地連攻.実は蛇突きは二連で出していて
,左一枚目の写真が一撃目で牽制,二撃目で相手の前手を
受け落としている.このときは相手の順手が怖いので蛇突
と見せて相手の前手を絡み落として蹴り,蹴りが決まらな
ければ蹴り足を踏み下ろして間合いに入ってそのまま空い
た上段に右捻突きを入れる予定だったが,上手く蹴りが極
まった.